第14回 ゲームとディズニーとあふれる涙。『シュガー・ラッシュ』ネタバレ全開トークスペシャル!
夜のアメリカ西海岸から@IDA_10と、
夕方の東京目黒から@miyaokaと、
昼夜問わない夢の国から@iwmrがお送りするゲームトーク、『ピコピコキャスト』
- 登場人物
- イダテン
- みやおか
- 咲間岩丸さん(スペシャルゲスト:ディズニー狂)
- めぐみさん(IDA_10奥さん)
※今回は『シュガー・ラッシュ』のネタバレ前提で話します。未見の方はぜひ鑑賞してからご覧ください。
- 咲間さん?岩丸さん?
観賞前の期待値など
- シュガー・ラッシュ
- 原題:Wreck-it Ralph(壊し屋ラルフ)
- 日本公開は最近だけど、北米では去年11月に公開されてたのでこれまでにもイダテンが何度が言及していた
- なのでイダテン的にはうろ覚えでテンションそれほど高くない
- 最近DVDが出たのでYouTubeを検索すれば断片的なシーンはたくさん見つかる
- すごく良くてびっくりしちゃったので緊急ピコキャス収録
- ゲームを題材にした映画への懸念感
- ちょっとひねてるかもしれないけど、あんまりゲームでいい話を語ろうとすることに対する懸念
- ていうかゲーム映画で全然いい思い出がない
- スーパーマリオとか、ストリートファイターとか
- バイオハザートとかはわりといい? それはむしろゲームのほうが映画に近づいてる感じ?
- ゲーム自体よりもゲームを通じたコミュニケーションをメインに描かれるとなんとなくダシに使われた歯がゆい感
- 細田守『ぼくらのウォーゲーム/サマーウォーズ』とかはみんなで力を合わせてというソーシャル側面をフィーチャー
- レトロゲームの良さを持ち上げて強調されるのも身構えてしまう
- 実際プレイしたら5分ももたない実感があるので
- 現代ゲームのほうがまだまだ進化や多様性を広げ続けているから、ノスタルジーよりは最先端のほうが面白いという気持ち
- そんな懸念がありつつもシュガー・ラッシュは良かった。
- あんまりゲームだけに頼りすぎないストーリー
- でもゲームであるところが重要な話
- ビデオゲームを普遍的なテーマとして扱えるようになった
- 文化ですよ(前回ピコキャス参照)
- 細かいネタはたくさん出てくるけど、知らない子供でもちゃんと楽しめる
- あんまりゲームだけに頼りすぎないストーリー
- ピクサーではなくディズニー作品
- 最後にプリンセス化。プリンセス物だったのか!
- ラルフとヴァネロペでは結婚を成立させられなくて消化不良になりそうだけど、そこでフェリックスと女軍曹の結婚式を見せることで認知錯誤を起こしてプリンセス→結婚という王道ストーリーをまとめたんじゃないかな?
- そう考えるとほんとスキがない
- 最近のディズニープリンセス
- 前作は『塔の上のラプンツェル』
- その前は『プリンセスと魔法のキス』(The Princess and the Frog)
- カエルは? ちゃんとしたタイトルにするなら「黒人姫とカエル」じゃん
- 「黒人姫とカエルの大冒険」→大冒険好きだね
- 邦題について
- バグという用語
- 英語だとglitch、日本語だと不具合
- ヴァネロペが囚われてる牢屋の鎖にはGlitchProofって書いてあってバグ技では抜けられないようにしてた
良かったところ
- 岩丸:コードを書き換える表現が良かった
- みやおか:5回くらい泣いた
- 1. ヴァネロペ登場時、ノイズでかすれるだけで希薄で危うい存在にうるっと
- 2. それまで描いてきた疎外される悪役ラルフだが、それ以上にゲーム世界には根本的に存在してはいけないグリッチであるということに対してぶわわっと
- 3. ゲームに出たいという気持ちを抱きながら出してもらえないという所でまたぶわっと
- 許容されない存在をかけがえの無いものとして描く
- バグが見つかると撤去されてしまうというゲーム世界の決まり事を提示
- 永パが見つかると大好きなゲームも撤去されてしまう体験談(前回ピコキャス参照)
- ゲームファンには深刻度が高くて身にしみる話。説得力が高い
- そういったゲームという舞台のルールを最も叙情的に上手く活かした作品
- プレイヤーがバグを許容して使いこなすというのも沁みる
- スト2のキャラが多数登場するのも、バグから生じた「キャンセル技」文化を語っている(にちがいない)
- 本作ではバグを仕様としたのではなく、元々の仕様がバグとして書き換えられていた設定
- 王様を倒すため、ラルフを助けるためにバグを使っていく描写は、悪しきバグを使いこなして仕様に昇華させていくゲーム文化的な感じ
- でもまあユーザーコミュニティにとっては問題の種だよね
- 後日談があれば投げハメみたいな扱いに。ヴァネロペ禁止台
- 仕様としては単純に有利になるだけじゃなくて移動方向の分からないリスクの有るランダムワープかな?
- だからこそ王様がラルフに語る話は至極まっとうに受け止められ、観ている側も悪役を信用してしまうようになっているのが上手い。
- 後日談があれば投げハメみたいな扱いに。ヴァネロペ禁止台
- バグが見つかると撤去されてしまうというゲーム世界の決まり事を提示
- 壊すという話
- 白血球がミッキーマークでできてる生粋のディズニー好きの岩丸さん的にはどこが良かった?
- 文句の付け所がない
- いいところを聞いてるんだよ!
- 従来のキャラクターとしてはポジティブな能力が多いのに対し、ラルフが持つネガティブな壊す力の使い所は上手く絞られてて良い
- ディズニーここ10作くらいと比較しても秀でた作品
- 文句の付け所がない
映画としてのストーリー作り
- プリンセス
- 2012年アカデミー長編アニメ映画賞
- GDC(Game Daisuki Conference)
- 今日までやってたゲーム開発者が集うイベント
記事もすごく良いんだけど、長蛇の列の写真の中に寂しそうな俺が写ってる! / 『風ノ旅ビト』誕生秘話――人の感情を動かすゲームが生まれるまで【GDC2013】famitsu.com/news/201303/31… via @famitsu
— 菊地麻比古さん (@IDA_10) 2013年4月1日- ピクサーの人がストーリーの極意を語るセッションもあった
- 【GDC 2013】ディズニー&ピクサーのヒットタイトルに見られるストーリーの黄金律とは? 現役クリエイターがあかす方程式 | インサイド http://www.inside-games.jp/article/2013/03/30/65189.html
- そこで語られていた王道スタイルはシュガー・ラッシュにも当てはまる
- 主人公の抱える欠落、師との出会い、葛藤、克服、成長。やがて原点に戻ってくるが、新しい自分は同じ事象に対して違う行動を取れる
- ラルフも冒頭と同じように住人に投げ捨てられるが、新しい視点を獲得している
- でも意外に悲しい。ラルフの境遇が根本的に解決したわけではない
- ストーリーということではフランケンシュタイン
- 原作は19世紀の小説。映像化作品は数多あるけれど、有名なのは1931年のボリス・カーロフ主演のハリウッド映画
- 人間の手で生み出した怪物が人々を脅かし、最終的に人間の手で殺すというおなじみの話
- フランケンシュタインは博士の名前、怪物には名前が無いのでフランケンシュタインの怪物と呼ばれる。
- 80年前の映画だけど、いま見ても十分面白いと感じるスリルのあるホラー映画
- 劇中、短いシーンだけど誰からも理解されない怪物が水辺の少女と交流する叙情的なシーンがある
- 社会から理解されない怪物と唯一理解し合う幼女。俗な言い方をすれば30過ぎのオッサンが幼女と触れ合う危うい話。社会からは抹殺されてしまう。だからラルフの境遇が解決しないのもしょうがない
- モンスターズ・インクの幼女
- モンスター世界で人間幼女が排除されるということでは、モンスター社会←→人間社会、モンスター←→幼女という面白い逆転関係とも言える?
- 原作は19世紀の小説。映像化作品は数多あるけれど、有名なのは1931年のボリス・カーロフ主演のハリウッド映画
アメリカ社会
- アメリカではラルフに感情移入するもの?
- 北米の階級社会
- 話としては悪役も自分の与えられた役割を全うするところに帰結
- でもヒロインは与えられたプリンセスの役割を脱ぎ捨てるというところでバランス調整?
- 家族など分かってくれる人がいるけれど、社会としては底辺労働者な現実
- Q*Bertは職なし物乞い描写
- "Game Unplugged, Please Help!" 古くなってプラグ外されて職場を失っている
- Fix-it Felix Jr.の世界に新しい仕事を提供
- 話としては悪役も自分の与えられた役割を全うするところに帰結
- 悪役グループセラピー
- 「ターボする」(go turbo)
- スト2ターボと掛けてるかと思った
- 日本版:ストリートファイターII' TURBO(ダッシュターボ)
- 海外版:Street Fighter II' Turbo: Hyper Fighting
- 出回っていた偽基盤の海賊版を一掃するために作られたと言われるバージョン
- スト2ターボと掛けてるかと思った
- アメリカのゲーセン
ローカライズについて
- セントラルステーションの落書き
- "All your base are belong to us." → 説明不要のネットミーム
- "Aerith Lives" → FF7のエアリス
- どちらも翻訳不能で英語のまま
- 劇中文字の日本語置き換え
- 二人で作ったカートのサイン
- "made by Vanellope and Ralph"→「つくったひと ヴァネロペとラルフ」
- 手作りメダル
- "To:Stinkbrain/You’re My Hero"→「私のヒーロー」
- どちらも手描きが重要なのに、細字のゆるいゴシック体で安い既成品にしか見えなくて台無し
- 二人で作ったカートのサイン
- 翻訳の作業工程のギリギリ感
- ファインディング・ニモでもかもめが "mine,mine,mine…" って言ってるのが台本では「僕の僕の」になってて、現場で「ちょうだい」に変えたらしい
- そういうギリギリの誰かのファインプレイ
- …が無かったんだろうね。女の子だから細くて丸ゴシックでいいや的な
- 幼女とタイポグラフィが好きなロバート先生だったら完璧なフォントを指定していたはず
- 翻訳の難しさ
- アメリカ文化的な変人基準
- お約束な定型文ジョーク
- ローカライズ文化問題
- 吹き替え問題
- 次のディズニー・アニメ、『Frozen』(雪の女王)
- それも字幕版無いんじゃないかと危惧する岩丸さん
- 今回のシュガー・ラッシュの出来なら満足だけど
- でもライバルレーサーとかは芸人使ってた
- 主役級でやられたら困る
- じゃりン子チエの成功がジブリ映画で芸人使うようになったきっかけ
- コナミのゲーム?
- 原作知らないけど遊んだ。オイチョカブとか子供時代に理解しづらかった
- あの話の面白さが分かるのは小学生じゃなくてオッサン
- Huluで見れるけど第1期だけで65話もある
- コナミのゲーム?
- 芸人に対する悪意があるの?
- 上手ければいいけど、上手くない可能性もあるから…
- メリダはAKBの人だけどけっこう良かった
- 予告編のセリフだとかなり棒読みだった
- ディズニーの予告編は本編と声優違う場合も多かった
- ギリギリでやってる感
- 日本公開遅い映画はちゃんとやってほしい
- アイアンマン3は日本版先行。モンスターズ・ユニバーシティは半月遅れ程度なので心配
- 次のディズニー・アニメ、『Frozen』(雪の女王)
- GDCのピクサー講演
- モンスターズ・ユニバーシティ、こんなに難しい映画もない
- なぜなら大学生活なのにセックスもアルコールも出てこないから
- じゃあ隠喩で表現とかすんの? それを読み取るのが難しい?
- GDCだからピクサーのストーリー制作をゲームにどう使うかみたいな話かと思ったら、まっとうにピクサーの作り方の話だった
- 最初の12人のアニメーターの一人Matthew Luhnさん
- この作り方は全てに当てはまるはずだという信念をもった話
- でも昨今はリニアじゃないゲームも多いからどう当てはめていくか
- パズドラはストーリー有るの?
- 皆無。
- そろそろアニメ化とかされるんじゃ? もうWebでやってるんじゃなかった?
- モンスターズ・ユニバーシティ、こんなに難しい映画もない
- ドリランドのアニメ
- 課金してボロボロになって葛藤を経て立ち直っていくみたいな話?
- 推測だけが面白そうなアニメ
- みんなでお金を出し合っていく。課金こそ正義
- 親が課金で殺されたみたいな、課金を憎む無課金厨のライバルキャラが必要
- どこに正義を持っていくか
- 再び芸人声優話
- モンスターズ・インクの主演は芸人だけど評判いい
- でもユニバーシティは登場人物多くて脇役でも気が抜けない
- ワイドショーでのパブリシティ目的での芸人声優起用文化
- そこまでしてプロモーションしないと映画観てもらえないのかね?
- それをやめて上手く行かなかった場合のリスク?
- ヒックとドラゴン
- 歯無しのドラゴンだからトゥースレスなのに、日本語版ではトゥースで逆の意味
- お笑い芸人の持ちギャグでトゥースってネタがあってそれに合わせたプロモーション?
- トゥースやってみてよ。→トゥーッス!
- 分っかんねえ。
- それなに言うたびに1本ずつ歯を抜いてくの? それならいいよ。それで最後歯が1本も無くなったらトゥースレスになれるし
- モンスターズ・インクの主演は芸人だけど評判いい
その他細かいところ
- バグっていえば
- 最初に兵士と入れ替わる前に出てくるゴキブリが話の導入として世界にバグが混入したという表現?
- ゴキブリ→サイバグ→ノイズまみれのヴァネロペ
- バグなのか仕様なのか曖昧
- 曖昧っていうのは映画的に良いテーマ。悪役もまた正義たりうる。
- フェリックス
- 現実のゲームキャラの活躍を期待して見に行くと肩透かし
- ここは頼んだぞ、ザンギエフ!みたいな
- 最初のグループセラピーだけ
- 映画でよく見るグループセラピー
- トイ・ストーリー3のおまけおもちゃの短編でもやってた
- ファインディング・ニモでも
- アメリカ文化ネタだけど、実際良くやるの?
- 案内とか来ないの? アル中の人はこちら、みたいな
- 前回話したカジノに貼ってある「中毒かな、と感じたらこちら」の案内
- 実際やったことある人は少ないと思うけど。今度聞いてみるわ
- みんな当然のように行ってて、スタンプカードとか見せられるかも
- アル中、ドラッグ、肥満、買い物中毒、子供ができない夫婦の集会などなど
- YouTubeで見たボツネタ未公開シーン(DVD特典?)
- ゲーム版Wreck-it Ralph
- わんぱくダック夢冒険がPS3でリメイク
- AKBが歌ったシュガー・ラッシュの作曲者、Jamie Houston
- あんま情報が出てこない。wikipediaでも同名のラグビー選手が出る
- http://www.californiasongwriters.com/index.php?option=com_contact&task=view&contact_id=5&Itemid=3
- この人らしい
- インターネットが全てじゃないってことで
余談
- GDC話
- F2PのゲームをDisる会とかセッションもあった
- WarZのセッション
- メタスコア20のゲームなのに講演できるの?!!
- どうやって売ったか、っていうプロデューサー向けセッション
- ゴミとか投げつけられるんじゃないの?
- Journeyのセッション
- すごい感動した
- 人との繋がりをゲームにしたい、けどどうやって作ったらいいか分からないという出発点
- ゲームごとにいろんな感情を掻き立てるものはあるけれど、そのどれにも属さない感情を作る
- ディズニーファンならやらないと。DL専売だからすぐできる
- やっぱ映画があまりに良いと盛り上がりづらい
- 議論にならない
- 同意しか出てこない
- 岩丸さんが空気読んでディズニー映画史上最低とか言ってくれりゃいいのに
- ボジョレー・ヌーボー式な褒め方
- ファミ通レビューで実は褒めてないのを探せ
- 次回展望