第43回 激論!ローカライズとおにぎり文化
[00:00] 季節のご挨拶
- サンフランシスコは夏でも寒い
[01:53] 久々のピコキャスと、その間も日本でヒットを続けるアナ雪
[04:45] 日本語訳問題が再燃。呪いを解いたのは誰なのよ
※『アナと雪の女王』のネタバレ前提で話します。未見の方はご注意ください。
- あれを誤訳とは言わないのは分かってるんだけど…
- もちろん日本文化で売るためのマーケティング
- 結果としてヒットしてるんだからゲハ的には正しい
- でも、作品の意図を曲げてまで日本に合わせるのはどうなの?と思わざるをえない
- 「ありのままで」だけでなく、全体的にバイアスをかけてしまったから肝心の話が大きく誤解されてるように感じる
- 特にアナの呪いをエルサの姉妹愛で助けたという意見をよく目にしがち
- 「アナと雪の女王」のクリストフはなぜ業者扱いなのか? 夏野剛×黒瀬陽平×東浩紀の3氏が男性視点で新解釈
- 「東:つまり、エルサの呪いでアナが凍って、エルサの愛でアナが溶けたんでしょ? 完全に自己完結だよね。」
- 東浩紀氏でさえそんな間違った理解をしてるから、いよいよ根深い問題に感じてしまった
- アナ雪完全解説!完全論破!みたいな記事でも、ろくに理解されてるのを目にしたことがない
- 「アナと雪の女王」のクリストフはなぜ業者扱いなのか? 夏野剛×黒瀬陽平×東浩紀の3氏が男性視点で新解釈
- つまり、アナが体現した「自己への見返りを求めずに利他的な行動をする=真実の愛」という基本原理の部分が全く伝わってない
- その部分で感動した身からすると文句も言いたくなる
- それは文化以前に読解力の問題じゃない?
- でも日本で愛と言えばまず恋愛だし、広くて家族愛という概念が一般的
- だからこそ馴染みの無い概念としてちゃんと正しく伝える姿勢が欲しかった
- 特にアナの呪いをエルサの姉妹愛で助けたという意見をよく目にしがち
- めぐみさん:呪いを自分で解く部分に感動した
- 従来は王子が助けてくれたけど、自分の問題は自分でしか解けない
- でも他者が手を差し伸べることはできる
- イダテン:作品全体としての歌同士のつながりが良いところ
- 呪いを解くのが一番の見せ場じゃない
- でも日本でスーパーヒットなんだよね
- じゃあいったい何がいいの?
- まず女性の自立、それから姉妹愛、同性愛みたいな文脈で消化されているように感じる(ネット調べ)
- みんな間違ってるよ!って、もうちょっと声を大にして言うべき
- ちょっと炎上しといて
- ネットでよく目にするのは、「話は単純だったけど、歌と絵が良かった」的な意見
- キリスト教倫理的にはすごく原点的な話なので確かに単純な話だろうけど、本当にそういう意味で単純と解釈されてるようには思えない
- 『素晴らしき哉、人生!』や『がんばれベアーズ』のように、アメリカ映画の醍醐味である「理想を再確認させる」ストーリー
- そういう原理的な概念を今の時代に改めてきちんとやってみせた、というのを観て当たり前の話にすごく胸打たれた
- 他の国だとどうなんだろうね?
[16:13] もうメッセージ性とかそういう問題じゃない
- そういう意味ではトランスフォーマーでは?
- 新作は中国資本で作られてるから劇中に中国アイテムの宣伝があるとか
- トゥルーマン・ショーで主人公の友人がカメラ目線でビール缶を見せつけるようなのを本気でやってたら見たい
- ゲームも中国資本とインド資本が入ってきてるから他人事じゃない
- 最近のゲームだったら中国料理とカレーが間違いなく増えてるハズ
- AoE2でプレイヤー人口的に朝鮮文明が追加されたりとか
- 新作は中国資本で作られてるから劇中に中国アイテムの宣伝があるとか
- ゴジラはどうなの?
- 炎上キーワード
- 本職の人を相手にお前はゴジラ映画について何も分かってないと言ってるブロガーがすごかったことしか知らない
- でもほんとつまんなかった(イダテン)
- 平成ゴジラシリーズを観てきたイダテンが自分はターゲットだろうと思って観たけど退屈だった
- 大きい動物好きだし
- 今作はサンフランシスコが舞台だし
- なんで楽しめなかったのか分からない
- じゃあ昭和シリーズ観てる人がターゲットなんじゃないの?
- ちなみにみやおかは一作も観てない
- めぐみさん:子供が助けられるシーンで何もお礼を言わないのがすごく引っかかった
- しかもそれが本編に全く関わってこない
- そういう細かいところの積み重ねで受け入れられなかった
- そんなに不自然なら初代にあるシーンの再現なんじゃないの?観てないけど
- まあ要は、分かんないってことで…
- そういう観点からするとアナ雪がコンテキスト無視してヒットしてるのは成功してるんだなと
- 炎上キーワード
[30:38] おにぎりクリッカー
- みやおかが即興で書いた高校野球シム
- 『もし高校野球の女子マネージャーが米を1?買い付けたら』(以下:もし米)
- おにぎりとかマネージャーとか高校野球の是非についてネットでは話題だったので、そういう政治語りからなるべく目を背けたアプローチとして書いた
- というか単純におにぎりの観点から事象をモデル化することについて考えてみたかった
- おにぎりクリッカーで資金集めてM&B2制作に送れば?
- M&Bの広告バナー出したらいいんじゃない?
- みんなでトルコにおにぎりを送ろう!
- おにぎり2万個と聞いて
- メガデモかと思った
- 2万個じゃ大したこと無いんじゃ?
- 米粒一粒一粒から描画
- それだったらアツいね
- このゲーム、分かんないところたくさんあるんだけど
- マネージャーは勝手に辞めるの?
- 3年経ったら卒業して辞めていく
- 辞めちゃうからクッキークリッカーみたいな放置ゲーにはできない
- 色の濃いのが上級生
- マネージャーは勝手に辞めるの?
- ピコキャス収録直前に実績システムも実装した
- とりあえず米を買うと最初の実績解除
- 商業主義に毒されてる
- でも実績はプレイヤーに正しい方向に進んでますよとナビゲートしてくれる
- 米を買うと「夏子の酒」のサブタイトル、試合に勝つと「タッチ」のサブタイトルの実績が解除されていく
- とりあえず米を買うと最初の実績解除
- そもそもなんでマミタスって呼ばれてるの?
- もし米について
- クッキークリッカーもあんまりやり込んでないけど、感銘を受けたのはクッキーが唯一の貨幣になっていて全てをクッキーで捉えているという世界
- そういう世界観で作ったからああいうゲームの仕組みになったということ
- だから高校野球の世界も全ておにぎりから捉えてみようというのは単純に興味深くて見てみたいなと思った
- 実際世間がおにぎりおにぎり言っててそんな感じだったので
- おにぎり代どこから出てるのよ?
- 部費
- 試合に勝つと金が貰える
- それはM&Bが大好きって言ってるわりに詰めが甘いんじゃないの?
- 一日で作ったものに対して詰めも何も…
- だいたいおにぎりの具はどうするの??
- 塩むすびでいいじゃん
- だめよ!!!いつもケンカになるんだから
- いつも子供4人+IDAさんにおにぎりを作り続けてるめぐみさんからすると許しがたい
- ゴマは炒るのか炒らないのか
- いや、ネットではそこまで言及してる人が居なかったんで…
- 具システムの実装は続編で
- クッキークリッカーもあんまりやり込んでないけど、感銘を受けたのはクッキーが唯一の貨幣になっていて全てをクッキーで捉えているという世界
- マミタスを日本一のマネージャーにしてあげたい
- でも関連記事見たらその高校が負けてた
- もう終わってたよ
- そうだったんだ(甲子園観てないから知らない)
- 試合のシミュレーションを書いてみて実感したこと
- みやおかがなんとなくなさじ加減で定義した計算式は、敵味方の部員数をベースにして戦力比を作り、対数とランダム使って一イニング毎に独立して得点を算出するモデル
- 単純に部員数が上回っていても甲子園だけで6連勝する必要がありなかなか勝ち抜けない
- マミタスの高校は部員120人くらい、今年は全国最高で160人くらい。昔は200人以上の高校もあったらしい
- 100人超えの高校は全国で数十校という感じ
- なので甲子園一回戦で負けるのもそういうモデルに当てはめるとおかしくないな、と妙に納得してしまう
- 甲子園で安定的に勝つには部員300人ほど必要なイメージ
- 漫画だとそういうのあるのかね
- 部員1000人とか
- 第十何部まであるようなところで一番下から上がっていく話とかありそう
- 名門!第三野球部だって三軍だしね
- 部員1000人とか
[48:10] 突然めぐみさんの甲子園DIS
- 野球なんて何が面白いの?
- サッカーみたいに集中して見なくていいからいいんじゃない?
- あとCM入れやすいってのもあるね
- 高校球児すぐ泣くし。泣くならやらなきゃいいのに
- 感動するじゃん!
- 寄生獣のミギーだって心にヒマがある生物、なんとすばらしい!!って言ってたじゃん
- ヒマ無いよ!!もう子供たちのおにぎり作るのたいへん!
- 自分以外のことを考えるヒマが素晴らしいってのがミギーの見出した答えであり、アナ雪の利他的というメッセージなわけじゃん
- 全てが繋がった
[54:51] 大人の戦車ゲー『World of Tanks』
- そういえばWoTのiOS版をやった
- でもみやおかさんがWoT長いことやってるわりに面白くなかった
- だからPC以外は別物って言ってるじゃん!!!!!
- 先行してXBox版も出てたけど、マップ表示を切り捨ててたからその時点で別ゲー
- WoTは何よりも索敵が重要であり、そしてチームで視界が共有されるシステムなので、全体マップ上を将棋盤のように偵察役や狙撃役が上手く睨みをきかせて布陣し、連携して敵を撃破していくことがキモのゲーム
- だからじゃあiPhoneでやるか、って思って
- 良いわけがないじゃん
- でもすっごい戦車は綺麗に動いてたよ
- いや戦車は綺麗に動くかもしれないけど、戦術なんて皆無でしょ。敵見つけたら正面から突っ込んで撃ち合うだけでしょ(やってないけど)
- なんかこれ2GBくらい容量食ってんだけど
- ちゃんと実車の設計図から作ってる力の入れようだからね
- そのうち人間のアニメーションも遺伝子レベルから作るかもね
- はぁ
- Sumotori Dreamsのイメージしか思い浮かばない
- まあカーレースゲーは実車モデルで作ったりするし、戦車だってカテゴライズ的には車ゲー
- でもみやおかさんがWoT長いことやってるわりに面白くなかった
[1:00:00] ハリウッドセレブゲー『Kim Kardashian: Hollywood』
- 戦車には騙されたけど、キム・カーダシアン(Kimmy K)は面白かった
- カリスマ女性タレントをフィーチャーしたハリウッドセレブ成り上がりゲーム
- 成り上がっていくとゲーム内の擬似SNSのファンが増えていく
- もう俺1000万人くらいファンが居る
- いかにもゲーム的なバカみたいな数値だけど、現実のセレブだとほんとにそういうインフレ数値になってるリアルさが味わえるのは興味深い
- ライバルキャラに暴言吐いたらゲーム内SNSに書かれてしまいファンが1ミリオン減ったりとか
- リアルな炎上だ
- 成り上がりですごくインフレしまくって、落ちるときはとことん落ちると面白いね
- F2Pだから基本的にはそんなに落ちることはない
- 課金の仕組みが上手い
- スキャンダルの取り消しにリアルマネー払うとか?
- セレブ同士で結婚はないの?
- 結婚は無くてデートならある
- リアルな登場セレブはキム・カーダシアンだけ
- 一番興奮したのはチュートリアルでキム・カーダシアンが家に招いてくれたとき
- パーティーに行けなかった埋め合わせに有料アイテムを撒いてくれた
- これまでお金か経験値くらいしか拾ったことなかったのに、有料アイテムがばら撒かれたのでウヒョーって言いながら拾い集めてた
- このゲームすげえ
- アポイントシステムもよく出来てる
- ゲームに繰り返し戻って来させる仕組み
- マネージャーが次の仕事は3時間後とか言ってくれる
- ソフィア・コッポラの『ブリングリング』を思い出した
- 若者たちがセレブの家に空き巣に行く映画
- アメリカで2008年に実際にあった事件を元にしてる
- 映画としてはrotten tomatoesで60点、ユーザースコア34点と散々な出来
- ともかくセレブの豪邸がすごい
- だけどセキュリティがザルで、セレブが海外行ってる間にGoogleMapで下調べして塀を簡単に乗り越えてカジュアルに何度も空き巣
- 主犯が女の子で、自分もセレブのものを身につけてキラキラしたいという動機
- 社会的にテレビとかですごく煽ってる
- キラキラしてなきゃ居場所がない
- セレブになりたい→じゃあ空き巣に行こう
- つまりキム・カーダシアンやってるイダテンさんは全く同じだなあと思った
- キム・カーダシアンは画面上のものをタップするとお金が出たりする
- Kimmy Kの家の前でもそれができるから、完全にやってること一緒
- スタミナ回復アイテムとかも拾えたりするので、クエスト達成まであとちょっとというときには街をうろついてあちこち拾いまくる
- 全然セレブ感無い
- むしろスカベンジャーだよね。ハードコアな
- 売り上げランキングから推察すると月商5億くらいは売り上げてる
- 真面目にやってる人たちがいっぱいいる
- セレブになりたい、ってニーズが確かにあるんだなと
- アメリカのセレブ文化って日本では考えづらい
- セレブの凋落とかもアメリカほどには無い
- マイリー・サイラスもハンナ・モンタナでトップアイドルとして一世を風靡したのに、次々とスキャンダルを重ねてスキンヘッドになったりとか
- 注目されてる限りは成功かもしれないけど、やっぱり「変わったな」って思う
- 変わりすぎでしょ
- ディズニーアイドルの末路ってだいたいそんな感じ
- それはディズニーの闇?
- まあ若くしてヒットすると凋落っぷりがすごい
- FrozenエンディングのLet it goもディズニーアイドルから凋落してドラッグ摂取などから復帰を遂げたデミ・ロヴァートが歌ってる
- なのでエンディング用では歌詞に救いの部分が足されてる
- その辺も含めてやっぱり日本語版はどうかと思うのは、劇中のLet it goで解放してクライマックスを迎えるように見せているところ
- カムバック時には私は私のままでいいと。その姿がまたロールモデルになっていく
- 日本だとそういうロールモデルに成りうる人は?
- マイリー・サイラスもハンナ・モンタナでトップアイドルとして一世を風靡したのに、次々とスキャンダルを重ねてスキンヘッドになったりとか
[1:29:23] 『シャドウゲイト』でまたローカライズについて考える
- 往年のアドベンチャーゲームのリメイクが出るのでFC版を再評価する記事
- FC版『シャドウゲイト』にみる、あるべきローカライズの姿 | AUTOMATON
- みやおかもイダテンも未プレイだけど語ります
- 原文と比べると全然違う
- アナ雪はちゃんと考えて訳してるけど納得いかないなと思う一方で、シャドウゲイトにはよくやったという親近感を覚えてしまう
- アナ雪は売れたってのがでかいよね
- 正しいかどうか、の基準を売れたかどうかで判断するしかないのが癪なのか
- スター・トレックを日本で売るときにも似たように感じた
- どんな手段であれまず興味すら持たせられないと内容以前に見てもらえない
- そう考えるとまずはとにかく観てもらうことが第一で、内容まで正確に、というのは本当に難しい
- 情報の解像度
[1:51:32] 最後に、イダテン3度めのプッシュ『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』
- 監督がロリポップチェーンソーの脚本書いた人
- タランティーノとかみたいに、これがかっこいいんだってのが出てきた感じ
- でもきちんと大作をまとめてる
- 観終えた今ではアライグマ超好き
- 日本で公開前にアライグマのグッズ買い占めといた方がいい
- アライグマのゲームも作り始めた方がいい